大学ではバイオサイエンス(生化学・有機化学など)、大学院ではマテリアルサイエンス(材料科学・生体材料など)を学び、ザナチュラルラボラトリー株式会社で約25年にわたり化粧品づくりに携わってきた服部珠美さん。スキンケア、ヘアケア、ボディケアといった基礎化粧品の処方設計から、工場での量産を見すえた工学的な視点まで。分業が進む大企業とは対照的に、「フォーミュレーター(化粧品開発者)」として、ものづくりの最初から最後までを一気通貫で見てきた人です。
肌を健やかに保つための処方設計というサイエンスと、香りやテクスチャーといった感性のデザイン。その両方を行き来しながら、「使う人がハッピーになる製品」をつくること。peace organicの多目的シャンプーも、そんな服部さんの視点と経験から生まれました。
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peace organicに関わって、一番強く感じたのは「人との距離の近さ」です。
多くのオーガニック原料って、「誰が作っているか」が見えにくいんですね。もちろん、書類上は分かります。原料の原産地情報や規格書には、生産地や製造会社の名前がきちんと書かれているし、トレーサビリティも取れています。でもそれは、あくまで「代理店まで」のトレーサビリティであることが多い。実際にどんな畑で、誰が、どういう思いで育てているのか。そこまで見えているケースは、正直あまりありません。
peace organicの場合は、そこがまったく違いました。
「顔がわかる原料」のみで構成されたシャンプー
今回使っている甘夏の果皮水にしても、花を育てている農家さんにしても、「誰がどこで作っているのか」が、本当に具体的に見えているんです。
産地の風景や、生産者の方の名前や表情まで浮かぶ状態で、原料と向き合う。化粧品開発者として、ここまで「根っこ」から知っている原料に出会えることは、正直なかなかありません。だから、私の中ではpeace organicのオーガニック観は、成分の話だけではなくて、もう少し広い意味を持っています。
・自然と共生する。
・その土地に住む人と共生する。
・原料の生産者と共生する。
・そして、その製品を使う消費者とも共生する。
ものづくりの最初から最後までが、輪になってつながっている状態。私はこの感じを、peace organicの「有機的なつながり」だと思っています。
有機的、という言葉は本来「オーガニック」と同じ語源です。でもここでは、成分だけではなく、人と人との関係性も含めた「ヒューマンオーガニック」と呼びたくなるような感覚があります。単に「オーガニック原料を使っています」という話ではなく、誰の手を経て、どんな思いでここまで届いているのか。そのストーリーごと製品に宿っているところが、peace organicならではの魅力だと感じています。
多目的シャンプーに込めたイメージ
その中で私が担当したのが、多目的シャンプーの処方設計です。
最初に伺ったのは、「自然の水を使いたい」ということと、「多目的に使える1本にしたい」ということでした。お風呂場だけでなく、サウナやアウトドア、旅先でも、これ1本あれば全身を洗えて、できれば歯磨きまでできるような。
そこから浮かんできたキーワードが「みずみずしさ」です。
自然の湧き水のイメージと、柑橘のフレッシュさ。乾燥しやすい肌の人でもカサつきにくく、でも重すぎない仕上がり。そんな全体像を先に描いてから、「どういう原料の組み合わせなら、そのイメージに近づけるか」を逆算していきました。
基準としたのは「家族に渡せるかどうか?」
今回のシャンプーで特徴的なのは、「歯磨きにも使える」ことだと思います。口に入るということは、それだけ原料選びにも気を使う必要があるということです。だから、使う原料はほとんど全部、味見をしました。研究室で処方を組みながら、一つひとつ舐めてみて、「これは口に入れたときにえぐみが強すぎないか」「この組み合わせは大丈夫か」と確認していく。ここまで徹底して味見をした処方は、私のキャリアの中でも珍しい方かもしれません。
もうひとつ、常に頭に置いていたのは「自分の大切な人に渡せるかどうか」という基準です。
家族や子ども、孫、ペットの犬など、自分にとって一番身近で大事な存在に、「これ、いいから使ってみて」と胸を張って渡せるか。もし少しでもためらいがあるなら、その原料は使わないし、その処方は採用しない。そうやって選び抜いたバランスが、今のpeace organicの多目的シャンプーです。
私にとっても、peace organicは単なる「オーガニック製品」ではなく、「関わっている人たち全員が胸を張れるものづくり」の象徴になっています。
ザナチュラルラボラトリー株式会社 服部珠美

















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